株式会社 物流産業新聞社
物流weekly 2017年8月28日 掲載記事

エムエスシステム 創立10年で有言実行

エムエスシステム(鈴木貴之社長、さいたま市緑区)はこのほど、創立10年を迎え、念願だった自前の社屋を建てた。サッカーJ1の浦和レッズのホームグラウンドである埼玉スタジアムが近くにあり、試合当日などは、観戦に訪れるファンが、前の道路に列をなして行き交う。開発が進む新しい街である美園。同社の新社屋はそんなところに建てられた。200坪の敷地に一見、運送会社らしからぬデザインの80坪の建物が立つ。今年4月から着工し、今月に完成、同21日から営業を開始した。
「10年で売り上げ10億円に、そして本社ビルを建てる」——。鈴木社長が会社を始めた時に自分に誓った目標だ。平成19年、27歳で運送事業をスタートした同社長だが、「資金なし、経験もなければ知識もなし、そして人脈もなしで、あったのは若さだけ」という、まさにゼロからのスタートだった。
そのため、銀行には見向きもされず、トラックを買おうにもディーラーから相手にされなかった。料金が支払えず、水道が止められることもあったという。始めてから数年はまさに、どん底を歩いていた。しかし、そんな不遇にあっても、目標だけは持ち続け、決して諦めなかった。
「絶対に目標を達成するという気持ちで取り組んでいた」という同社長は、他社が手を出さないような仕事でも、積極的に受けていった。「他社が嫌がるような仕事を受けることで、荷主の信頼を得られる。その繰り返しによって、少しずつ、いい仕事を回してもらえるようになった」と同社長は振り返る。
結果的に、こうした信用の積み重ねが、同社の成長に大きく寄与していく。仕事が増え、トラックが増え、そしてドライバーも増えていった。「お客様に恵まれた」と謙虚に話す同社長だが、目標に向かって仕事にまい進する姿勢が、今の顧客を引き寄せたといえる。
設立から10年が経ち、売り上げは年少9億8000万円を計上した。10億円にわずかに届かなかったが、設立時に抱いた10億円という目標は、ほぼ達成した。従業員も50人を数え、トラックも40台を超えた。
そしてもう一つの目標であった新社屋も設立からちょうど10年で、目標通りに建設できた。
食事もろくにできない、水道も使えない、そんな底辺を這いつくばってきただけに、同社長は新社屋完成に、ひときわ感慨深さを感じているという。
「事務所はおカネを生まないから立派なものは必要ない」「立派な本社ビルを建てると会社はおかしくなる」など、運送業界では、こうした指摘もあるが、同社長は、「それは大きな間違い」と真っ向から否定した上で、「いい事務所は従業員に誇りを与えられ、結果的にいい仕事につながる」という。事実、同社では、新社屋が完成し、家族へ自慢するドライバーの姿もあったという。
設立から10年で年商10億円と新社屋建設という、まさに有言実行を果たした同社長は、「設立20年では、100人の優秀な従業員と一緒に仕事をしていたい」と話し、次なる目標を胸に、さらにまい進していくとしている。 (高田直樹)

エムエスシステムとは

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(株)エムエスシステム ——10周年に念願の新社屋が完成

今回紹介する(株)エムエスシステムは2007年6月に設立した一般貨物自動車運送業者。現在、自社トラックを48台所有、顧客である上場大手企業のさまざまなニーズに応えて業容を拡大している。今年は設立10周年という節目の年、8月21日には念願の新社屋が完成した。
創業者の鈴木貴之社長は運送業会で経験を積み、「後発でも車両を確保すれば、勝機はある」と27歳で独立、当社を設立した。県内物流最大手である丸和運輸機関のセンター長に認められ、その後押しもあったという。
創業時はヒト、モノ、カネすべてがない状況。最初の3年間は自社便を持たない「取扱事業」に専念し、その中で利益を確保するノウハウを確立。それが今なお当社の強みとなっている。
「自社便だけでは足りなくとも、協力業者さんとのネットワークでお客様の仕事はすべて請けさせていただいています。つまりノーは言わない点が強み。だから大手さんから直接仕事をいただけていると思います」(鈴木社長)。
社員教育も強み。主力顧客でもある丸和運輸機関の勉強会・研修に参加することで優秀なドライバーを育成している。また、入社後も大型免許など各種免許の取得を推奨しており、その際の費用は会社持ち。ドライバーにより多くの免許を取得させることで仕事の幅を広げている。
当社の社訓は“一蓮托生”。オール・フォア・オールの精神でチームワークを重視する。
「苦しいときには助け合い、うれしいときには喜びを分かち合う、そんな社風です。社員は家族です。働いた分よい暮らしをしてほしいというのが私の願い。社員旅行やバーベキューを年に何回も行うほか、従業員の奥様のお誕生日には私からお花をお贈りしています」(鈴木社長)。
他社が敬遠する仕事も積極的に受ける姿勢が顧客から認められ、少しずつ基盤を拡大してきた当社。創業時からの目標“10年で年商10億円、自社の社屋を持つ”が今年ほぼ実現したことで鈴木社長の感慨もひとしおだ。
「次の目標は“20年で年商20億円、従業員100名”。一緒に働ける“仲間・家族”を募ってさらなるステージを目指します」と話す鈴木社長。そんな鈴木社長の若さ、パワフルさが当社最大の強み、魅力なのかもしれない。

エムエスシステムとは